共有不動産に関する物権法改正①
こんにちは。
弁護士の三田村です。
令和3年4月21日、「民法等の一部を改正する法律」が成立し、令和5年4月1日から施行が予定されています。
今回の改正で、共有物分割についても改正がなされていますので、その点について何回かにわけてとりあげます。
[現行民法258条1項]
「共有物の分割について共有者間の協議が調わないときは、その分割を裁判所に請求することができる。」
[改正民法258条1項]
「共有物の分割について共有者間の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、その分割を裁判所に請求することができる。」
《要件について》
現行民法258条1項では、共有物分割を裁判所に請求する条件として、「協議が調わないとき」だけがあげられていました。
しかし、今回の改正において、改正民法258条1項では、「協議が調わないとき」に加えて「協議をすることができないとき」も要件としてあげられることとなりました。
現行民法のときから、「協議が調わないとき」には協議に応じないため協議ができない場合も含まれていましたので、改正にあたって明文化されたことに意味があります。
もっとも、改正後に取り扱いが変わることはなさそうです。